ジョンとポール。

つい最近まで、ほんとは実在しないんじゃないかと思いこんでいた謎の音楽ユニット「ジョンとポール」。彼らの新作アルバム「SINGS」が、ぼくの友人でもあり、このCDをリリースしたレーベルオーナーでもあるマイケルから送られてきたのは、ちょうど一週間前。ぼくの歌声にも共通性を感じる、所謂ヘタウマヴォーカルでジャズのスタンダードナンバー(ナイト&デイ、マイ・ファニー・ヴァレンタイン、イパネマの娘、渋いとこだとムーン&サンドとか)をカヴァー。時代物のリズムマシーンと、これまた中途半端に懐かしいモノフォニックシンセ(NovationのBass Station)、ガットギターのバッキングだけでアレンジされた、チープかつ芸のあるサウンドに乗せて、シングシングシング。気がつくと、ゲットー・ボーイズやアイス・キューブを聞く合間にヘヴィロテで聞いてしまってます。
事故米だ、リーマン・ブラザースだ(ニュースで聞くたびに「リーマンズ」を思い出すのはぼくだけじゃないはず)、ケムトレイルだ、腋毛のグラビアアイドルだのと、いっそう毒々さを増す地球の中和剤として、この「SINGS」は「イマジン」よりもずっと効く。想像だけなら誰でもできる。これからは実際に唄えるかどうかが大事になってくるはずだから・・・といった前置きはこの辺にして、昨日、台風一過の東京は夜の七時。ジョンとポールが丸ノ内線の中野富士見台(東京生活二十一年目にして初めて降りた)に上陸。駅前のカフェ「LOOSE」にて、発売記念ライブがにぎにぎしく開催されたのです。


雰囲気はこの、やけにボケた写真から伝わりますかねえ*1。ここんとこ見るモノ聴くモノ体験するモノがミックステープのように繋がりまくって、消化がぜんぜん追いつかないくらいなんですが、今回のテーマもまた先週のイベントにも引き続いて「アマチュアリズム」なんてところに集約されるでしょうか。モチの論、それは"稚拙だからイカン"とかね、"プロフェッショナリズムより価値が低い"ってことじゃ全然ないんですよ。
たとえば、事故米を食用として転売して利益を得ることが米屋のプロフェッショナリズムだとするなら、安全で美味しい米を愚直に売ることって一種のアマチュアリズムですよね。ぼくも今年でフリー生活11年。例の「ロック・ザ・ルーツ」をスタートさせたのが1998年の11月なので、もうすぐこれも十周年ですよ。スタートからグルッと一回りした気分で、これまでスキルや経験値としきたモノを、垢や不純物と共に、あっさりリセットしたい気持ちもありますし、それでもザルの中に残るモノが、たぶんぼくの芸なんだろうと。無責任なイマジンじゃなくて、大事なのはやっぱり、ヘタでもシングすること。そういうとこからいっちょやりなおしてみようじゃねえの!という気持ちにさせられました。なんせジョンのギターはアリアプロII。ポールのベースはヤマハですからね。分かる人にはきっと伝わりますよね、このフィーリング!
ちなみに「ジョンとポール」の本拠地は広島県呉市らしいんです。またもぼくに「造船」がくっついてきました。これがなにかの啓示だとしたら、来年辺り、マグロはえ縄漁船にでも乗って、インド洋にでも行け!っていう意味なんでしょうかね?


“SINGS”+“Moonwalk”

“SINGS”+“Moonwalk”

聞いてから読むと二倍愉しい公式ウェブサイトもチェックしてみよう!

*1:ライブ中のVJを担当したのは、ジョンとポールとは学生時代からの盟友でもあるらしい、おなじみ小田島等くん。VJという表現の極北を見た想い。これもまたアマチュアリズム。もちろん良い意味で。