文藝別冊「大瀧詠一

ユリイカで「大滝詠一の系譜学」を執筆した内田樹さんと師匠の最新対談、ラジオ日本「ゴーゴーナイアガラ」の常連投稿者だったサエキけんぞうさんや「ある丁稚奉公の記録」と題された湯浅学さん(僕の大学の先輩です)のエッセイ、師匠が1972年、初めて書いたデイブ・メイソン「ヘッドキーパー」ライナーノーツの再録(と、そのライナーノーツの解説&訂正文!)などはヒジョーに面白かったんだけど、執筆者の私事や個人体験に基づいた、単なる感想文的な原稿はまったく不要だと思うんだよなあ。師匠に対する批評や分析はそうそう容易ではないのだし、第一、もし自分に原稿依頼があったら、と思うと冷や汗が出る。音専誌ならいざ知らず、まずそのあたりを書き手が回避できるように特集を企画する事がそろそろ出来ないのかな。突っ込みどころや広げどころがあれほど多いミュージシャンなんて、日本はおろか世界にだって、ほとんどいないのだから(師匠が"拒否"してる可能性はもちろんありますけどね)。大滝師匠とナイアガラに関する、イチ読者としてほんとうに読みたい特集はもうちょっと別のところにあるような気がしてならんですよ。じゃあ、お前が考えろ!と言われたら、冷や汗どころか熱い涙がこぼれそうだけど、熱き心に時を重ねつつ、いつかやってみたい気がします。

それにしても。シュガー・ベイブの「ソングス」再発に関する記事がまったく載ってないのはなぜだろう?


SONGS 30th Anniversary Edition

SONGS 30th Anniversary Edition

モンティ・パイソンモンティ・パイソン正伝」(白夜書房

一見するとイーストプレスから2003年に邦訳版が発売された「モンティ・パイソン・スピーク」に似た感じの、メンバー&周辺人物の発言を集めた本なんだけど、その編集方針はさらに、というか、かなりストイック。編者の主観で書かれた文章をいっさい挟まず、彼ら(彼女ら)の発言だけで完全に構成されている。入門書的に読むなら「スピークス」に軍配が上がるだろうが、この本からは彼らが求め続けた(続ける)モノの本質、そしてその本質を追求するプロセスにおいて、メンバーの間に流れ続ける緊張感や、彼らを支えたプライドと友情のあたたかさがページから立ち上ってくる。巻頭に掲載された数多くの写真も、メンバーたちが個人的に所有していたものを蔵出ししたものなので、今まで目にした事のないスチルばかり。値段は高いし、持ち歩いて読むには重すぎるけど、間違いなく必読の一冊。


モンティ・パイソン・スピークス!

モンティ・パイソン・スピークス!

岩明均ヒストリエ」(第3巻/講談社

せっかく読み始めたのに、お話をすっかり忘れてるというか、実際は「ヘウレーカ」と間違えて内容を覚えてたので、結局最初から読み直すの刑に処されました。この作品が史上最高の傑作になるかどうかは神と作者のみ知る訳ですけど、まだまだ岩明さんには10年や20年は逝ってもらっちゃ困る(くらいのゆったりとした展開)。僕らもこれを読み遂げるために日々の健康はしっかり守っていきたいよね。


ヒストリエ(3) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(3) (アフタヌーンKC)

ヘウレーカ (ジェッツコミックス)

ヘウレーカ (ジェッツコミックス)