レンタルDVDにて「バッド・サンタ」。あと「ノミ・ソング」を見ました。
テリー・ツワイゴフ監督、コーエン兄弟が製作の「バッド・サンタ」は「がんばれベアーズ」マターの悪人改心物。主役はリメイク版ベアーズとおなじビリー・ボブ・ソーントン*1だから思いっきり既視感*2
つーかビリー・ボブはどんな映画に出ても、ソーントンなので(当たり前)「バーバー」だろうが「Uターン」だろうが「シンプル・プラン」だろうが、全部同じような作品に見えるのであった。
んでもって「ノミ・ソング」。ノミといっても、ほとんどの人にとったら"Don't Nomi"。ある程度、音楽に詳しい人でもスネークマンショーのアルバムに収録されている「コールド・ソング」一曲の印象ノミ・・・ではないでしょうかね。
RCAフランスから最初にリリースされたファースト盤が、キャリア初期から活動を共にしてたニューヨークの盟友たちと袂を分かった状態で作られたこと。しかも、レコード会社主体のものすご〜く安易な商業的体制でレコーディングされたこと。デヴィッド・ボウイがノミの美味しいところだけをサクッと頂いてすぐにバイナラした話*3。ケニー・シャーフ*4にコクって振られた話・・・とか、ノミという人物の外縁部は、数多くの関係者による証言からずいぶんと補強された気がするんだけど、PVや貴重なライブ映像、ノミ自身のインタビュー(生前に収録したヤツね)が思いのほか短く刈り込まれてて、たとえばオペラ歌手を目指していた彼が"クラウス・ノミ"へと変節したキッカケとか、死因となった新しい病気"AIDS"が、80年代当時は「ゲイの癌」という蔑称で呼ばれたり、伝染方法や症状などのすべてが謎だったこと、そしてNYのシーン全体がAIDSの登場によって、どれほどの動揺に見舞われたのか・・・など、膨らませたら面白そうな部分が、非常にあっさりと扱われていたことが残念。
あと、特筆すべきは字幕のひどさ! 日本語として意味が通じてない箇所が多く、見ていて途中で字幕を切ったほど。ヒアリングして自分なりに解釈する方が理解しやすいというような有様でした。
数少ない好事家がありがたがって見る作品なのだから、こういう部分のキメこそが購買欲への鍵だと思うんですよね*5。その点、ちょっと前に出た「パンク・アティテュード」のDVDは重箱の隅を突きまくった素晴らしい出来だった。まさに買って悔いなしの一品。

追記>特典映像として収録されているアンディ・シュワルツ(NWファンジン「NY ROCKER」編集長)のインタビューは、短いですが非常に面白い内容になっています。そしてなぜか字幕がここだけしっかりしてる(笑)。

*1:アンジェリーナ・ジョリーにはブラピよりもお似合いだといまだに思う。しかしビリー・ボブはジョリ姉との離婚でなんとバツ5を達成! おまえは漢だ!

*2:あ、でもリメイク版ベアーズはまだ俺、見てないんだった。

*3:1980年、デヴィッド・ボウイがサタデーナイトライブに出演時、ノミをバックダンサー&コーラスとして起用。「世界を売った男」と「TVC15」の二曲で共演した。そういったわけで、かつては「ボウイに見出された!」などと喧伝されていました。まあ、ボウイは常にそういう剽窃まがいの行為を繰り返してきたわけで、その善し悪しを特別ああだこうだ言う気はないけれど。で、ノミもまた、この時にボウイが着用していたコスチュームのイメージをパクり返し、かの有名なカミシモ型タキシードを作ったので、プラマイゼロか。

*4:蛍光色と"発狂したロドニー・アラン・グリーンブラット"のごとくドギつくデフォルメされた、キャンプなアメコミ調イラストを特徴とする、ニューウェイブ時代に大注目された画家。今でもたぶんなんかやってる。

*5:大したギャラを払わずとも喜んで字幕監修を引き受ける音楽評論家などたくさんいるでしょう。