ひとがこころ安らかに、そして健康に生きる権利は
かくもたやすく損なわれてしまうのかと、
今日はひどく哀しく思えました。
ぼくができることはたいしたことじゃないけれど、
だれかのために役立っていると信じたい。
だからといってなにができるわけではないから、
いつもより早く眠ります。

おやすみなさい。


祈り谷川俊太郎
一つの大きな主張が
無限の時の突端に始まり
今もそれが続いているのに
僕等は無数の提案をもって
その主張にむかおうとする
(ああ 傲慢すぎる ホモ・サピエンス 傲慢すぎる)
主張の解明のためにこそ
僕等は学んできたのではなかったのか
主張の歓喜のためにこそ
僕等は営んできたのではなかったのか
稚い僕の心に
(こわれかけた複雑な機械の鋲の一つ)
今は祈りのみが信じられる
(宇宙の中の無限小から
宇宙の中の無限大まで)
人々の祈りの部分がもっとつよくあるように
人々が地球のさびしさをもっとひしひしと感じるように
ねむりの前に僕は祈ろう
(ところはすべて地球上の一点だし
みんなはすべて人間のひとり)
さびしさをたえて僕は祈ろう
一つの大きな主張が
無限の時の突端に始まり
今もなお続いている
そして一つの小さな祈り
暗くて巨きな時の中に
かすかながらもしっかり燃え続けようと
今 炎をあげる