世界が滅亡したら、最後の更新がコサキンネタ・・・。そんな事態はやはり避けたいですよね。
さて本日発売の「ナイアガラCMスペシャル30周年記念盤」について。
アルバムに先だって発売されたレコード・コレクターズ誌の「CMスペシャル」特集号は、大滝さんのインタビュー他、和物CMミュージック関連の記事が大充実。読んで楽しい見て楽しい一冊でした。特にこの「CMスペシャル」というのは、収録されている音源も1973年(はっぴいえんど末期)から1979年(コロンビアとのレーベル契約が切れる/翌1980年からロンバケ制作開始)までの約六年にも及ぶわけで、ナイアガラ・サウンド勃興の軌跡を辿ることができるのです。
この「CMスペシャル」はCDで三種類、それに加えて、オリジナルのLP&10"をすでに所有。ミックス違いや未収録曲を追っかけてるうち、こういうひどい事態になったわけですが、もちろん今回のCDにもお蔵出しマテリアルが入ってます。白眉なのはクライアント提出用の「サイダー73」「同74」のデモ音源。大滝さん本人も忘れてた文字通りの秘蔵音源が発掘されております。こんなマニアックな音源をいきなり聞いちゃう人がたくさんいるのって、やっぱりちょっとフクザツ。
あ、そうだ。「CMスペシャル」に絡めて、僕の「Sam The Samba Man(以下、STSM)」に関するちょっとしたトリヴィアを提供してみましょうか。
STSMには『Transonic 11』に収録されたヴァージョン(イントロにドラムループが入っている)と、『A.M.』に収録された「Album Edit」ヴァージョンがあり、それぞれアナログ用にマスタリングされたアナログヴァージョンがあります。そして「TR11」で正式にリリースされる前、イベントなどでテスト的にプレイしていた僕の仮歌ヴァージョンというのが存在します。サウンドはもちろん未完成ですが、「TR11」ヴァージョンと構成はほぼ同じです。その後、トモミちゃんのボーカルをインスタント・シトロンの長瀬五郎君の自宅スタジオで録音しました。この時点で完成したヴァージョンを基にして、ミックスに細かい変更を加えながら、イベントのたびにCD-Rでプレイしておりました。
で、ここからがミソなのですが、僕のイベントでVJをしてくれてた映像作家の児玉裕一君が、僕のDJで耳にしたSTSMを気に入り、彼がディレクションをしていたNTTドコモ東北の仕事*1のために、トラックを丸ごと流用して、新曲を作ることになったのです。
オリジナルのメロディと歌詞を書き下ろし、おなじくトモミちゃんが歌ってもらいました。タイトルは「Wake The World」。これはもちろん今に至るまでCDなどの音源化はされてません。しかし、この時のセッションで録音したスキャットコーラス(パラッパ)が非常に良いフィーリングだったので、STSMに本採用。こうして完成した次第です。
いまだに皆さんから愛してもらってるあの曲は、そんなプロセスを経て<耐久度>を増していったといえましょう。CMと自分のソロ作品でアイディアをキャッチボールして、作品に厚みをつけるような手法に関して、ある意味で大滝さんと共通するものがあったわけで。この「CMスペシャル」が大好きなのはそんな理由かもしれませんね。

それにしても。新垣結衣クンの三ツ矢サイダーCMで大滝師匠の新作「サイダー07」・・・ってないかなあー!

*1:宮崎あおいちゃんがCMモデルで、その撮影風景を追ったCMメイキング。僕がBGMとあおいちゃんへのインタビュー(!)を担当。東北のドコモショップ店頭のみで流されたそうです。