最近CD棚からひさしぶりに取り出したのが、この「UTOPIA AMERICANA」。イタリアのレーベル"NEW TONE"から1992年にリリースされたコンピレーションで、現代音楽やジャズ・・・1950年代、いわゆるビートニク・エラ以降に活躍している(いた)アーティスト、たとえばギンズバーグ、ケージ、ライヒ、スティーブ・レイシー、ジョン・ゾーンらの作品を収録してます*1
でも共通点といえばむしろそれだけなんだよね。「断片的」で「断層的」であることを縦軸にしてコンパイルしてあると強引にこじつけちゃえば、それこそまさに現代アメリカ的だと言っていいかもしんない。かつてオールドファッションなアメリカの西部劇を、オリーブオイルにニンニクとバジルを効かせ「マカロニ・ウェスタン」としてアレンジしちゃったイタリア人的な選美眼の真意は、僕の<寿司天ぷら>的解釈と全く違うのかもしれませんけどね。
ちょうど今、読んでいる「アメリカン・ニュー・ミュージック -実験音楽、ミニマル・ミュージックからジャズ・アヴァンギャルドまで-」という本の中にライヒのインタビューが載ってて、その中にこういうエピソードが載ってました。ライヒは大学を出た後、生活費に困ってたと。カネを稼がなきゃってことで、どこかの学校で教師として音楽理論を教えるか、それとももっとたくさんのお金を稼げる仕事に就くかを二択し、後者を選択。ニューヨークでタクシードライバーとして働いていたそうです*2
しかし転んでもタダじゃおきない彼は、自分が運転するタクシーの車内に隠しマイクを仕掛け、客の会話を録音。それを編集し、サンフランシスコでライブ演奏したのだそうです。その後、これを発展させる形で『カム・アウト』や『イッツ・ゴナ・レイン』といった代表作をモノにしたというわけ。ジャーナライズド・イズムの大先輩なのですね。
一見まわりみちの人生経験そのものをきっちりネタにして、次のステップで再利用するような生き方・・・ボカぁ好きだなあー。

*1:3曲目に入っているMicheal Galassoの「Baroque」が、ウォン・カーワイ「恋する惑星」の冒頭で使われてるらしいんだけど、全然覚えてないや。

*2:モヒカンにはしてなかったと思いますが。