植木等さんの訃報。僕らを照らしてくれた太陽がまたひとつ沈んで、世界の闇がさらに深くなっていきます。
そしてあの「LIFE」廃刊のニュースにも気持ちが沈みました。04年10月からは無料誌としてワシントンポスト紙など全米の主要紙に週一で折り込まれ、1,300万部の発行部数を誇っていたようですが(知らなかった)、アメリカの新聞産業自体が縮小傾向にあり、広告収入も激減していく中で、廃刊が決定したそうです。
「LIFE」というブランド自体はオンライン版として延命するようですが、写真「誌」としてのアイデンティティが損なわれたことによるダメージは相当なものでしょう。
僕にとって『LIFE』といえば、タイム/ライフブックスとして日本版も出ていた「写真講座(LIFE LIBRARY OF PHOTOGRAPHY)」シリーズ。「LIFE」の豊富なアーカイブから選ばれた美しい写真やその撮影術を解説した本で、たとえば「特殊撮影」イシューだと、すぐに応用の利きそうな「ジェット機から写真を撮る」「望遠鏡にカメラを取り付ける」といった、初歩的なテクニックからはじまり、「イオンとX線による写真」や「中性子写真」「レーザー光線を利用したホログラフィ」など日曜大工レベルじゃ手に負えなさそうなハイレベルの技術まで解説してくれています。
同じくタイム/ライフブックスから73年に出ている「人間と科学シリーズ・数の世界」も大好き。僕のような理数系というより栗鼠系の人間にも、写真と図版をふんだんに使って、高度な数学理論をわかりやすく教えてくれるすばらしい一冊です。*1
手に取って、ページをめくり、美しい写真に心をふるわせる体験を損なってまで、その替わりに僕らはなにを得ようとしてるんでしょうね。

*1:上記、タイム/ライフブックスの書籍は古本屋でかんたんに見つかると思います。値段も1,000円前後とリーズナブルなので、ぜひ探してみてください。