一勝一敗でした。それにしても「今の日本人が、内面空虚で外側がぶよぶよになってしまったその理由は、60年間戦争をやってこなかったからだ」などと、一般週刊誌でシャーシャーと語っちゃう三角目を、またも選出しちゃった東京都民の皆さんはすごいですねー。オリンピックがんばってください!
で、元都民の僕はというと、家人と投票へ行って外食*1しました。その後、サーファーや犬連れ&子連れ散歩民、ビーチバレリーナ、スケボーに乗った天使のみなさんで賑わう鵠沼海岸へ散歩に行ったんだけど、思いのほか寒くてすぐに帰宅してしまいました。
そしてサンデーソングブックを聞きながら、枕元の本を一気に読了。一冊は森達也さんの『日本国憲法』(太田出版)。もう一冊は先日リットーミュージックの編集Yさんからいただいた高橋透さんの自伝『DJバカ一代』。両方とも三時間くらいで読み終えました。かたや一国の憲法を、かたや人生そのものを扱った本ですが、こんな風にサクッと読んでしまえるなんて、ちょっと申し訳ないような気もします。まま、それが読書の醍醐味なのですが。

森さんの本はQJ連載時にかなり一生懸命読んでいたので、そのおさらいといった気分。読後の感想や憲法に対する基本的な僕の考えについてはここにはまだ書かない。もう少しちゃんと勉強したいので。ただ、タイミング良くテレビ朝日で放送された「男たちのYAMATO(この本の中でもわりに好意的に紹介されている)」を見たのですが、特に響くものはありませんでした。*2
CGやSFXの品質向上によって戦闘シーンへリアリズムを求めていくと、結果的にロマンティシズムが勝っちゃう。もちろん戦争とロマンティシズムが抜き差しならないからなんだけど。ただ僕はこうした映像表現を通して、知らず知らず吸収していくロマンティシズムの毒が、いずれモルヒネのように効いてくることに対して潜在的な恐怖心が強いのです。

高橋透さんといえば、なんといってもGOLDのレジデントDJ。それゆえ個人的にGOLD期の話は興味津々でした。東京中のクラブを回って、DJをスカウトしたエピソードを読んでると「世が世なら俺も!」なんてちょっと興奮してしまいました。またトニー・ハンフリーズがGOLDでプレイした2デイズには両日通い、音が止まる朝の8時半まで踊り続けました。あー、たしか初日だったと思うんだけど、出番前のトニーと連れションになったのね。で、その最中に彼と目があったら満面の笑みを浮かべながら「Hi, How are you?」って話しかけてくれたのは、嬉しかったなあ。「Yeah, I'm fine!!!」と答えながらピッピッとオシッコを切り、手を洗って握手してもらいました。「アップリフティング」というのはこういうことか!と、思い知らされたのは、トニーのプレイでGOLDの床が一瞬ほんとうに持ち上がったんじゃないかと感じた、あの日のGOLD。ああ、すべてが懐かしい。
GOLDのことを書いた章に登場するメンバーには、いまだ現役の人が多いせいか、あまり生々しい話は出てこなかったのが残念。たぶん書けないようなゴタゴタもたくさんあったことでしょう。遡ってディスコ修行期の話は、静岡でいつもお世話になっているRED ROCKのジンさん*3から聞いてた話と「羅生門」的にリンクし、面白さ倍増。また新宿や六本木にあった当時の主要なディスコを地図にまとめてあるのも親切。僕が上京した頃にはおそらくそのほとんどが消滅してたんじゃなかろうか。あと、ニューヨークで大工仕事に明け暮れた若き日のエピソードは『まんが道』的な部分もあって、なんだかハツラツとした気分に。
もちろん、プロの文筆家ではない透さんが自筆で振り返った自分史なので、他人にとったら些末な部分が妙に細かかったり、読者にとってはもっと詳しく読みたい!ってところが意外にサラッとしてたりするんだけど、そういうイビツさこそが人生なんですよね。誰だってくだらないことほどよく覚えてて、大事なことはすぐに忘れてしまう。
現行憲法が持つ一種の「イビツさ」にもそうした人間味を感じてしまうわけで、整合性が無くなったんだから今すぐ変えろ!なんて、軽々しく言って欲しくないなあと思います。60年間も変わらなかったものには、相応の重みがあるはずですから。

*1:McDonaldですけどね。カラダを汚したい気分だったのかな。

*2:映画の出来よりも、むしろこのタイミングでこの作品を放送したテレビ朝日の編成に響くものがありました。

*3:あのEP-4佐藤薫さんとソウルメイト。書中にも出てくるドン勝元さんの命令で、羽田空港までスタイリスティクスを迎えに行くなど大活躍の明け暮れ。その後、式根島のディスコ「ジンジン」のレジデントDJなどを務める。またニューヨーク時代にはパラダイス・ガラージを生体験。高校時代は郷ひろみと同級、ミミ○原との交際経験も。現在の趣味は山ごもり。ある種、自伝の出版が待たれるレジェンド。