時々思いつくと、コレクションしていたビデオをHDレコーダに取り込み、DVDーRにバックアップしています。テレビから録画保存していたビデオはほとんど片付いてるので、最近はもっぱらセルで購入したビデオを取り込んでます。今更ながら気づくのは輸入版のビデオは品質(内容ではなく、テープそのものの)が悪いですね。オーディオトラックが傷んでるとお手上げで、音が波打ったり途切れたりするものは修復不可能。もったいないけどお墓に行ってもらうしかありません。
そうして面倒くさい作業を片付けた挙げ句、そのタイトルがDVDで再発されてることに気づいたりなんかすると、軽くへこみます。たとえば昨日焼いた「Sun Ra / Mystery, Mr. Ra」とかさ。先に調べてからおやんなさいよ、ってのは云わないで頂戴。流れ作業的にやってるとついつい忘れちゃって、そういう作品に限って出てやがる。*1
そんなこともあったので、CD棚をゴソゴソとかき回し、10年くらい前にどっかの店のバーゲンワゴンから救出した「Sun Ra & His Intergalactic Arkestra / Second Star to the Right: Salute to Walt Disney」を聞き直してみました。
その名の通り、ラ師と彼の忠実なる手下たちがディズニー映画のナンバーばかりを演奏したライブ盤*2。ヘタウマなタッチで、七人の小人(らしきもの)が描かれた安っぽいジャケのせいか、ずっとブートレグだと思いこました。事実、ラ師のファン(Fun Ra)が隠し録りしたテープが元素材になっているので、僕の思いこみは的外れでもないんですけど、たぶん買ってから一回も通しで聞いてなかったと思う。で、今回ライナーノーツをじっくりと読みながら、気合い入れて聞き直してみると・・・いやはやどうもすいません。不覚にも泣きそうになりました。曲が良いのは当たり前としても、演奏から伝わってくる親密さとか包容力がただ事じゃありません。
会場となった「Jazzatelierからして、実にほのぼのとした外観の建物なんですが、オーディエンス録音だけに観客同士のお喋りや様々なノイズが聞こえてくる。もちろんそれ以上にステージ上の面々が騒がしいんだけど(笑)、そうしたさまざまな音が演奏を明るく彩っています。
もちろん録音状態はもちろんそんなに良くない*3。しかし、そんなしゃらくさいコトは抜きにして、なんだか眼前にメンバーがいるような立体感。小山田君とは反対の意味で「SENSUOUS」と呼びたくなるような音像です。
購入当時の僕はきっと、ラ師のフリーキーなモーグソロが入ってないとか、主要メンバーのひとりであるジョン・ギルモアが参加してない(病欠)もんだから、熱心に聴かなかったんだと思うけど、ブッ飛ばしてやりたい、そんときの俺を!
オススメはなんといってもM-4に入ってる白雪姫の劇中歌「I'm Wishing(私の願い)」かな。日本にもスカやジャズっぽい音を売りにするバンドが雨後の筍よろしく次々に登場してるけど、そういうのが好きな人こそ、この演奏を聴いてぶっ飛んでほしい。楽しいってのはとても悲しいコトで、同時にすごく恐いことなんだなあって思うはずですよ。
それにしても。去年発売されたラ師の伝記本「サン・ラー伝」が欲しいけど高い! 生まれつきカタキンだったとかゲイだったとか、いろいろ衝撃的な事実が記載されてるそうだけど、なんせ定価6,510円! いつか僕のところに王子さまがやってきて(Someday my prince will come)気前よくプレゼントしてくれることを星に願って(When You Wish Upon A Star)います・・・って、ものすごくうまくまとまったね、こりゃ。

*1:しかも出たばかりだったりする。で、悔しくて思わず買いそうになる自分がイヤ。

*2:実際のライブは2セット構成で、その1セットがこのディズニー特集。もう1セットは「Stardust from Tomorrow」という二枚組CDにまとめられてるそうですが、そちらは未聴。

*3:これに関して、ライナーノーツに面白いことが書いてありました。執筆したのはこのレーベルのオーナーなのですが、彼曰く「評論家の大多数は、サン・ラのレコーディング音質は「凄く悪い」か、良くてもせいぜい「悪い」と見なしていた。しかしサン・ラはそのような評価にほとんど気を払ってなかった。というよりも、連中が云うところの「良いサウンド」とか「素晴らしい音質」だなんだってことを、まったく理解してなかったと思う」とのこと。どちらが正しい認識を持っていたかは、歴史が証明してますね。