天気も良いので行楽に気合いが入ってる方も多いでしょうが、完全に逆行して引きこもりモード。日本映画専門チャンネルで毎日、若松孝二の『新宿マッド』や、藤田敏八の『八月はエロスの匂い』とか見てるもんだから、ますます気分はヤサぐれてます。
これじゃいけないとリセットするつもりで見たのが『時をかける少女』のアニメリメイク版。見ていてむず痒いところもあったけど、実に面白かったな。むしろむず痒いくらいなのが青春感を煽ってくれて、良い。
作画や画面設計などは俺のようなアニメ素人が見ても非常にブランニューな印象。でも背景は緻密でオーソドックス。もちろん「時かけ」なので、タイムリープ(時間跳躍)したり、同じシーンが何度もループしたりするわけだけど、そこでバッハの『ゴールドベルク変奏曲』(主題の反復と変奏を特徴に持つ)をサントラに使ってくる辺り、実に王道だけど、グッとくる。*1
監督の細田守さんって方はずいぶんとその筋の評価が高いようで、ネットで拾った資料を読んでるだけで、彼の携わった作品をいろいろ見たくなりました。大林版のヒロイン、原田知世を声優で起用した『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』の第四十話「どれみと魔女をやめた魔女」なんて、プロットを読むだけでたまらん感じ。*2
細田さんは村上隆さんとルイ・ヴィトンのヴィジュアルを制作した人でもあるし、日本のアニメ業界が持っているポテンシャルのハンパ無さは疑いようもないのですが、それでもこういうエクスキューズ抜きで、業界外に飛び出していく才能っていうのは、まだまだ少なくないですか? もちろんそうした才能を紹介する立場の人間、つまり架け橋になるプロデューサーが不足しているということなのかもしれないし、あっちはあっちで世界観が確立しちゃってるから、こちらから踏み込みにくいのもあるし・・・難しいですよね。細田さんもこの作品でそういった"境界壁"に風穴を開けたかったみたいだけど、まだまだ課題が残ったんじゃないでしょうか。ただ、ボクは今回これを見て、いろいろな作品を見てみたいなあって単純に思いました。ボクだって幼少のみぎりはアニメショップ「ペロ」に通って、ガンダムの設定資料集を買ったり、友だちとフィルム上映会に行き、DAICON FILMの作品(『愛國戰隊大日本』『快傑のーてんき』『帰ってきたウルトラマン』)を見たり、それらにインスパイアされて8mmで特撮ヒーロー物の映画を撮ってたクチなので。*3


細田守村上隆「SUPERFLAT MONOGRAM」

特撮上映会(@南海放送本町会館)で中学生の俺が見たDAICON3のオープニングアニメ。
DAICONを知らない人は各自調査!

*1:劇場版のEVAを見たときも感じたのですが、アニメとクラシックって相性イイですね。

*2:大林版「時をかける少女」で原田知世が演じた芳山和子は今回のアニメ版にも主人公の叔母として登場する。劇中、芳山和子は「魔女おばちゃん」と呼ばれているのですが、当然ながらこういうトリヴィア的エピソードはボクが開陳するまでもなく、すでにもう語られ尽くしているというか、あえて言うまでもないことなのでしょうね(苦笑)。

*3:タイトルは「天国仮面」。天国から追放された堕天使=天国仮面が地上で悪と戦い、彼らを葬って天国に送る・・・みたいな話。繁華街でロケ中に補導されたことも。主演はボク。監督を務めた友人はその後、日芸に進学。現在は地元テレビ局で報道カメラマン。そういえば大学の卒業制作映画も主演したんだった。いつかボクがリア・ディゾンとかビビアン・スーみたいになったら、DVD化されると思います。ちなみに写真は「天国仮面」を演じるボク・・・ではなく、怪傑のーてんきを演じるオタキングの勇姿。