見てきました。想像以上の大傑作だったよぉ(くまぇり)。
過去のフィンチャー作品と比較してもまちがいなくナンバーワン。見た人がいたら、飲みながら一晩中、語り明かしたいくらいです。
まま、賛辞も含めて、あまり不用意に入れ知恵しない方が賢明。そこでサントラのことだけをちょろっと(半ば備忘録的に)書きます。
この映画は60年代後半から70年代を主な舞台なので、おのずとその頃のヒット曲・・・エリック・バードン&ジ・アニマルズ「Sky Pilot」、スリー・ドッグ・ナイト「Easy To Be Hard」、ストーリーズ「Brother Louie」、サンタナSoul Sacrifice」、スティーリー・ダン「Deacon Blues」など、黒人音楽、または黒人音楽を含めた他文化的な音楽に多大なる影響を受けたロック・ミュージックが、多くのシーンで流れます。*1
あとはその反対にロック的なアプローチを取り入れたファンクバンド(スライ&ザ・ファミリーストーン)や、モータウン系のソウル・ミュージック(フォー・トップス、マーヴィン・ゲイ)、ゲイのポピュラー歌手(ジョニー・マティス)、王道のズージャ(マイルス「Solar」、コルトレーン「Mary's Blues」)など。そしてオリジナルスコアはこの映画にも多大な影響を与えた(と推測される)映画「大統領の陰謀」で有名なデイヴィッド・シャイア音楽監督ウェス・アンダーソン作品や「スクール・オブ・ロック」のランダル・ポスター。*2
そして映画の最初と最後で主題歌のように流れる「Hardy Gardy Man」を歌うドノヴァンの実娘、アイオニ・スカイ・・・この人はアドロック(ビースティ・ボーイズ)の元ヨメです・・・がカメオ出演してました(なぜかノンクレジット)。*3
ちなみに「ゾディアック」はかなり長尺(158分)の映画なので、膀胱の性能に自信が無い方は、羽織れるものやブランケットなどを持参された方がいいかもしれません。館内の冷房が堪える季節ですしね。でも実際はあまりに面白くてアッ!という間に終わっちゃいました。
あ、それとこの作品はあくまで実際に起きた未解決事件と、その真犯人を追う人々の生き様を基にして作られています。ですからフィンチャー作品で定番となっている大どんでん返しはありません。くれぐれもそこは期待(もしくは失望)しないように(笑)。そういった大団円とかハリウッド的なお約束とかカタルシスの連発を放棄し、そういう要素の反語的な面白さを再構築したところが「ゾディアック」最大の魅力だと思います。
DVD化を待つのもじれったいし、最低もう一回は劇場で見るつもり。ほんとにオススメです。

*1:たとえばストーリーズの「Brother Louie」は白人の男の子(ルイ君)が黒人の女の子を見初めて、両親に引き合わせたら大反対されちゃったヨ!って唄。

*2:この人の選曲ってタランティーノジャームッシュのようにマニアックじゃなくて、かといってベタ過ぎない。この辺が重宝がられてる理由でしょうね。僕もこういう落としどころは得意なんだけどな。映画関係の方、ぜひこういう仕事ください。イヤ、マジで。

*3:僕のフェイヴァリット・ムービー「セイ・エニシング」(1989)に主演している彼女。ぜんぜん印象が変わってないので一目でわかったけど、あれからもう20年近く経つんだなぁ。