DVD「今宵、フィッツジェラルド劇場で」鑑賞。ロバート・アルトマン最後の作品となった映画なのだが。作家にとって、こんな素晴らしい「遺作」を残せたなんて、これ以上の幸福はないんじゃないか。死の間際まで次作の準備をしていたそうだけど、これ以上「遺作」にふさわしい作品なんてあるもんじゃない。カントリー・ミュージックとラジオショウを舞台にした群像劇、過去の作品に、類似した要素を見つけ出すのはとても簡単、集大成、総決算として見ることはたやすいけれど、それでもなお若々しく、エネルギッシュな作品でもあり。すべてのキャラクター、流れる音楽、ダイアローグ、ストーリー、衣装、美術、撮影、照明・・・映画を形作る、すべての要素から、アルトマンの生々しい息遣いが伝わってくる。「死」を真正面から語りながら、画面の隅々がキラキラと光り、脈打ち、生きている。カート・ヴォネガットもこの作品を絶賛していたが*1、アルトマンもまた、つねにアメリカと<拡大家族>について語り続けた作家だった。
それにしても、こんな映画、めったにない! おすぎです! 見なさい!*2

*1:SFマガジン最新号に初出されていた生前最後のインタビューにて。アルトマンが「チャンピオンたちの朝食」を映画化しようとしていたそうだ。見たかった!

*2:今話題のリンジー・ローハン。めちゃくちゃカワイイです。ちょっと鼻にかかった歌声もキュート。