そんなことを思いながら、おもわず読み返してしまったのが、山田芳裕の「度胸星」。
アメリカの宇宙飛行士たちが火星探検の途上、高次元からやってきた謎の物体(テセラック)と遭遇。地球との交信が途絶えてしまう。合衆国大統領ダン・オブライエン*1は、救出のためのクルーを世界中から公募。主人公の三河度胸*2を含む、日本人訓練生たちも命がけの過酷なテストを経て、火星を目指す・・・と、まあ、あらすじはこんな感じ。
大ヒット作「デカスロン」の終了を受け、同じくヤングサンデー誌で連載を開始したものの、編集部と方針の食い違いがあったとかで、唐突に打ち切り。テセラックにまつわる緻密なストーリー(高次元〜超ひも理論)と、山田節の群像劇が二本立てで進行、ようやくそのふたつの物語がひとつになったところで完結を迎えちゃったわけ(連載期間は約一年、単行本は全四巻)。
打ち切り後、「映画秘宝」に掲載された作者のインタビューには、たしか「あと10巻分くらいのストーリーは考えてた」と書いてあったはず。続編を望む声もトーゼン高い。次作以降の山田作品は結局、古巣の講談社「モーニング」誌に移った。
でも、ひさしぶりに読み返してみると、これはこれで味のある終わり方かなあ。連載が長期化することで、マンネリになったり、話が広がりすぎて、作品の本質が損なわれてしまうケースも多いし、そういうパターンに陥らなかった分、作品の印象がギュッと濃縮され、高まった気もするから。
そんな「度胸星」は、講談社へ版元を移して、11月に復刊決定とか。加筆・修正あるんだったら欲しいけど、どうなんだろ。*3

*1:前作「デカスロン」にも登場する、実在のデカスリート

*2:度胸星」の主要な登場人物の名は、三河筑前、茶々、石田、武田・・・と、戦国時代の武将にちなんでて、この点、現在の連載作「へうげもの」とリンク。

*3:でも、いちばん続きが読みたい山田作品は「大正野郎」です。