今度の土曜、日本映画専門チャンネルでオンエアされることを知っていたのに、そのたった二日が待てず、どうしてもまた見たくなって「天国と地獄」を借りてきてしまった。いやあやっぱり面白い・・・。こっち(湘南)に引っ越してきたおかげで、江ノ電周辺、特に腰越付近の地理が身近になったこと、そして伊勢佐木町〜黄金町にも土地勘がついたので、伝わってくる臨場感がいっそう増しました。
好きなシーンはたくさんあります。特に現金の受け渡しを終えて、人質を受け取りに行くところ・・・車が完全に停まる前からドアを開け、ようやく解放された"人質"のもとに一目散で駆け出す権藤(ミフネ)、そんな彼を見て、部下たちに「あの人のために、それこそ犬になってでもホシを追うんだ!」と、仲代達矢扮する戸倉警部が、決然と言い渡す場面は、何度見ても鼻の奥がツーンと来る。そして映画の中の刑事長(ボースン)同様、毎度ハンカチのお世話になってしまいます。
あと捜査会議のシーンと記者クラブのシーンも好き。WEEKENDERSのときに小西さんもおっしゃってましたが、映画の魅力は、やはり役者の顔。このふたつのシーンでは、おなかいっぱいのイイ顔が楽しめます。

このシーンでかかる音楽の下品さといったら! 佐藤勝、最高!

刑事ものと云えば、フィンチャーの「ゾディアック」も、本日DVDリリース。さっそく再見。もちろん「天国と地獄」ほどじゃないけど、この映画の役者たちも実にイイ顔ぞろい。ただでさえ洋画は、さまざまな人種が登場するから、顔のヴァリエーションは豊かになりますよね。フィンチャーくらい徹底したリサーチ/時代考証をする監督が「天国と地獄」をリメイクするなら、ぜひとも見てみたいもんです。*1
でも、ちょっと文句云いたいことが。劇場公開からやけに早いタイミングで出すなあと思ってたら、<来年早々、アメリカでディレクターズカット版DVDが発売決定!>なんて告知が、"特典映像"として入ってました・・・。いくら商売とはいえ、ちょっとコスすぎ。*2


あ、そうそう、未見だった「恋愛睡眠のすすめ」も今日借りてみたんだが、いやぁ、なんなんだろう、この後味の悪さは。ミシェル・ゴンドリーだけじゃなくて、スパイク・ジョーンズ(というか、チャーリー・カウフマン)の映画もそうなんだけど、最初の三十分から一時間くらいは作品の世界にのめりこんで、うっとりしたりドキドキしたりできるくせ、ラストに近づくにつれ、飽きがくるというか、うんざりするというか、なんとかこの世界から抜け出したい、はやく終わって欲しいという気持ちで、いつもいっぱいになってしまうんです。
で、終わったあと、オバケ屋敷や巨大迷路を抜け出したように、気分がさっぱりするかっていうと、これが全然しない。苦みがいつまでも舌の上に残って、二三度うがいしたくらいじゃ、どうにもならない感じ。そこが彼らの狙いといえば、たしかにそうかもしれない。
どうせなら一時間半くらいで、いさぎよくスパッと終わるような映画にならなかったのかな。ミュージック・ヴィデオやCF作品は、例外なくどれも好きなので、彼らが作る長編の映画にも、ついつい簡潔さを求めてしまうし、単なる願望として、そういう作品を見てみたいというか。

Michel Gondry: Eternal Dreamer HP Advertisement
恋愛睡眠のすすめ」の続編的作品。

あと、こんなこと云ってもしょうがないのですが、これが監督第一作として撮られていれば、もっと愛着が湧く作品だったような気がしました。観客としてのぼくらにとっても、作り手である彼にとっても。*3

*1:劇場で見た直後に、特殊効果を担当したデジタルドメイン社のサイトで、メイキング映像の一部を見たんですが、あんなシーンもこんなシーンもブルーバック撮影&コンピュータ上での処理(ポスト・プロダクション)が為されてたのか、とビックリしました。こんなことを書いてから云うのはなんですけど、本編未見の人は、絶対先に見てはいけません。

*2:編集で落とした素材が山ほどありそうなのは予想できてたから、余計に・・・。

*3:シャーロット・ゲンズブールが両親よりも、むしろマシュー・モディーンそっくりになってきたことはさておき、36才になった今もあいかわらずチャーミングだったのは素晴らしい!