何度か読み直してはみたんだけど、今ひとつピンと来なくて、挙げ句、気がついてみれば本棚のどこにも見あたらない。ジャック・ケルアックの「路上」は、つまりぼくにとってそういう作品でした。
そしてこのたび、アメリカでの出版からちょうど五十年目の今年、新訳が登場。タイトルも原題のカタカナ起こしで「オン・ザ・ロード」とあらたまりました。さいきん流行りのパターンですね。
どれだけ時代が移り変わっても、多くのヤング(とヤング・アット・ハートな大人たち)が通過儀礼のように触れたくなる本こそ、経年劣化したパーツ(言語表現)を整備、交換、アップデートした翻訳があっていい。その一方で、初訳されたヴァージョンも含めて、できるだけ多くの選択肢があってしかるべきだと思いますが、そういう試みはほとんど為されていないのが現状。だったら原文に挑戦するくらいの気概を見せたいけど、勝手にゆとり教育を先取っていたぼくらの語学力じゃ、そうもいかないしね。青山南さんは好きな翻訳家なので、ページを開く余裕ができるのを楽しみにしています。
この「路上」にかぎらず、新訳で読みたい本ってほかにもたくさんあるな。今、パッとおもいついたのはトマス・ピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」*1。ピンチョンの小説の中では読みやすい方なんだけどね。<写真>2005年10月、ラスヴェガスの路上にて。

競売ナンバー49の叫び

競売ナンバー49の叫び

*1:この本はさすがに必殺"原題カタカナ起こし"は使えないね。「ザ・クライング・オブ・ロット49」じゃ、ワケがわからなすぎる(笑)。