佐藤多佳子しゃべれども しゃべれども」。DVDで見た映画版が良かったので、原作も読んでみた。テーマも相俟って、実に歯切れ良く、さっぱりした文体。終始、下町が舞台だった映画版と違い、原作では主人公が祖母と暮らす街が吉祥寺の設定になっていて・・・しかも、ぼくが大学卒業後に暮らしていた井の頭公園周辺が舞台だったことがヘンな臨場感を生み、グッと胸にくるような箇所がいくつかあり、じつに困った。アルバイトをしながら、暇な日には本屋やレコード屋をブラブラと周り、近所に住んでいた友人たちの部屋に転がり込んで酒を飲み、アパートの隣人が発狂して大変な目に遭い、それでものほほんと暮らしていたけれど、ふりかえればあれは一生のウチで、もっともキツイ日々だったな。
・・・と、話はマクラで脱線してしまいましたが、キリが良いのでこのへんで。