日曜、BShiでオンエアされた「立川談志10時間スペシャル」を見た。特に圧巻だったのは、この企画のために撮り下ろされた「居残り佐平次」。一般的に落語中継といえば、正面からのワンショットで寄ったり引いたりの平面的映像・・・つまりは電気紙芝居。して今回はハイビジョンカメラ五台を駆使し、家元自らがカメラワークにも細かいディレクション。頭上からの俯瞰ショットあり、ナナメ横からカメラ目線ありと、実に立体的なカット割りとなっておりました。かつて「現代落語論*1」で談志自身が理想型として語っていた「テレビ落語」のあるべき姿を、出版から四十年目にして具現化。*2
ほかの誰よりもまず自分自身が最高の観客である家元だから、無観客のスタジオ収録というシチュエーションの中で、余計なノイズに惑わされず、自らの分身=佐平次と存分に組んずほぐれつ・・・これァ会心の出来だったのではないでしょうか?
それにしても。七十二才、一時間弱の大熱演。死ぬ死ぬ詐欺だよ、ありゃア(by モリタタダシ)。



*1:1965年刊・三一書房(絶版)。俺が上京するときに、オヤジの本棚からかっぱらってきた唯一の本。今は上のアマゾンリンクに貼ってある、全集の一冊として復刊。ありきたりな云い方で書きゃア1965年の「現代」に対して家元が突きつけたことが、2008年の「現代」においてもまったく古びてないのは、彼がラディカルだからか、社会がノンラディカルなのか(おそらく前者三割後者七割)。執筆当時二十九才(!)の落語論・・・必読です。

*2:ちなみに「現代落語論」のなかでは「佐平次」ではなく「三方一両損」を引き合いに出してましたけどネ。