今年のゴールデンウィークって、カレンダー通りに休んでいる人(店、会社)は別として、そうでない人(店、会社)が出勤したり、休んだり、結構まちまちですよね。ぼくのように毎日が夏休みフリーランス稼業からしてみれば、急かされたり待たされたり・・・かなり翻弄されておりますよ。
ということで。GW→ゴールデン→金とこじつけて「隠し砦の三悪人」をひさしぶりに見直しました。あまりに面白すぎて、二日連続で二回も見ちゃった。よく言われることですけど、時代劇のクロサワ作品だったら、この「隠し砦」が最高傑作じゃないでしょうか。展開はけっして早くないんだけど、ひとつひとつのシーンに尺の分だけ意味や伏線があるし、登場するキャラクターそれぞれの造形も完璧。ルーカスが真似したくなった気持ちも分かります。*1

で、こんな本も読んでみました。

存命中はやれ天皇だ独裁者だのと揶揄されたクロサワ。そんな彼の実像を、元黒澤組の面々が証言した一冊。
興味深い話も多々掲載されていたのですが、フィルム編集の達人だったクロサワに関する本にしては、インタビューのテープ起こしをそのままノンエディットで掲載したかのような冗長さが目立つ本で、同じ話が何度も繰り返して出てきたり、そのわりに、分かりにくい用語や前後関係が理解しにくい箇所になんの解説も為されてなかったりと、読み通すのがかなり大変でした。
黒澤家のお墨付きで作られた本のようだけど、関係者はどんどん鬼籍に入っているし、後学のために読む若い世代にとって、これだけわかりにくい部分が多いのは問題じゃないかなー。ちなみに著者はマガジンハウスの元編集者で、ガリバーの編集長などを務めた塩澤幸登氏。

そして最近ほかに見た映画といえば、成瀬巳喜男の「流れる」。

流れる [DVD]

流れる [DVD]

たまたま上記の本に、黒澤と同時代の東宝映画人として成瀬巳喜男の名前が何度も挙がっていて、未見のままだったこの映画を思い出し、DVDにて鑑賞。
女性映画の名手として名高い成瀬ですが、このお話のすべての厄災のもとであり、しかし女性たちが求めて止まないのは結局、男。この映画に登場する男たちは黒澤作品にも顔馴染みの面々が多数出ていて、これがまた皆いちいち良いんだ。田舎者の石工に扮した宮口精二、プレイボーイの板前の加藤大介、有能だけど腹の底が見えない仲谷昇・・・ほかにも画面には出てこないけれど、芸者の山田五十鈴を捨てた元夫や、そのパトロンである政治家、田中絹代の死別した夫などなど。みんな惚れた男の身勝手さや運命に振り回されてる女性ばかりが出てくるけど、結局それなりにしたたかで、タフ。それは流れる川の水の如し。みんなもせっかくの休みなんだから「週刊真木よう子」とかじゃなくて、こういうおなかにズシンとくる映画を見た方がイイと思う。

*1:スターウォーズで彼が引用した箇所は枚挙にいとまがないんだけど、後半に再び登場した田所兵衛のメイキャップがマスクを外したダースベイダーと酷似してる点は、今回見直していちばん驚いたかも。それにしても。個人的には三池、本広、樋口の三人が今の日本映画を駄目にしてる三悪人だと思っているので、リメイク版(とやら)は見る気も起きないし、この先も見ることはないので、なにも云うことはありません!