新装版 劒岳 ―点の記 (文春文庫)

新装版 劒岳 ―点の記 (文春文庫)

これ紹介するのを忘れてたー。声はデカイが、ベシャリは異様に面白い木村大作さん。最近はコサキンでも準レギュラー扱いの、日本映画を代表するカメラマンです。彼が68才にして初メガホンを取った映画が「劔岳<点の記>」。*1
原作は「八甲田山」でおなじみの新田次郎の中編小説。シバリョウ同様、オヤジの書架系作家という先入観があって、なかなか読む機会がなかったけれど、これがもう破格の面白さ。
ボーイスカウト歴10年で、野営経験は意外に豊富なぼく。装備も未発達で登山方法も原始的だった明治時代、前人未踏の霊峰「劔岳」へ挑んだ、この小説の主人公たちのような過酷体験こそ無いけれど、13才の時、蔵王山でのキャンプ中に大型台風が直撃したことがありました。テントの主柱がみるみる曲がっていき、深夜、雨水の侵入を防ぐべく、暴風雨の中でテントの周囲の側溝を掘り直し、びしょ濡れのシュラフ(寝袋)でまんじりともせず一夜を過ごしたことは、いまだに忘れがたい経験。そういえば、翌年はアメリカのサクラメントに二週間ほどホームステイして、ヨセミテにあるどっかの山に登ったんだっけ。富士山より標高の高い山で、頂上の寒さは忘れがたい。

ちなみに「店の記」の撮影期間は三年に及んでいて、まだまだ映画は撮影中。冬の間は山に入れないので、そのたびに現地ロケは中断するから。公開は来年六月。いまもっとも楽しみな邦画です。
映画「劔岳 点の記」オフィシャルサイト http://www.tsurugidake.jp/

*1:木村さんは故・広川太一郎さんと(ほぼ)同い年。かたや68才にして亡くなり、かたや初監督だもん。ホント人生いろいろですね。