朝起きて、歯を磨くときに鏡を見たら、相当テリブルな顔色になってたぼく。こりゃいかんということで、夕方四時の開店早々、藤沢駅南口にある「はま吉」さんへ飛び込んで鰻を食べました。
関東在住のウナマニアから非常に評価が高いお店でありますが、なんとも気まぐれな営業スタイルのお店で、今日まで何度かフラれた末(不定期によく閉まってるんだ)ついに感動の初訪問。*1
今からちょうど五年前、藤沢に越し、初めてこの店の前を通りかかったときは、もっと年季の入ったお店だったのですが、いつの間にかきれいに改装され、店主も代替わりしたと聞きます。美味しい鰻屋は店構えや内装自体が美味しい鰻のようでなくてはならない、というのがぼくの持論ですけれど、この「はま吉」さんはいかにも関東風の蒲焼きを思わせる上品で端正な雰囲気。店内にいる他の客はおばあさんの独り客が二人と、仕事帰りのサラリーマンが独り。その三組とも(メニューに何故か載っていない)肝焼きを串で注文し、ビールや日本酒を悠然と嗜んでおられました。店内は無音。鰻を焼く、ハタハタという団扇の音だけが聞こえてきます。
待つこと二十分。ようやくありついたのが写真の鰻重です。主役の鰻ちゃんはカリカリのふわふわ、タレも好みの味。セットに付いてくる口直しの粕漬けやぬか漬け、芥子菜、肝吸いも最高に美味しかったんだけど、いちばんビックリしたのはここの山椒。チューブ入りのワサビとおろしたての生ワサビの差が歴然としてるように、今まで味わったことのある粉山椒とはまったく別物。薬味の域を超えてました。なんだろ、あれ。*2
鰻ってばお安い食べ物じゃないわけですし、昨今、食糧問題の影響もあって、ますます縁遠くなる食材ですが、ココロとカラダに与えてくれる効果を考えれば、コストパフォーマンスはかなり高いメニューですよね。とにかく一瞬で元気出ました。*3

はま吉
神奈川県藤沢市南藤沢23-4-103 三愛ビル1F
0466-26-2030

*1:村上春樹鵠沼海岸に住んでいた頃、贔屓にしてたというこの「はま吉」。「このあいだ藤沢に行って、ひさしぶりに南口のうなぎ屋さんでうなぎを食べました。おいしかった」(村上朝日堂 スメルジャコフ対織田信長家臣団)より。

*2:風味が鮮烈でフレッシュ。EQで2Khz周辺の音を強調したような感じ。

*3:今日に限らず、鰻はときどき発作的に食べたくなるのですが、以前、新宿をウロウロしているとき、その発作が襲ってきて、とりあえず目についた店へ飛び込んだら、それなりの値段を取るくせに食べると鰻からガスっぽい匂いがして(炭火じゃなくてガスの火で焼く店だったんでしょう)ものすごく萎えたことがありました。それ以来、突発的な衝動に襲われても、その場はなんとか自制し、安心して食べられる馴染みの店に辿りつくまでガマンするようにしました。