欲しい物はたくさんあるの、と云えば、矢野顕子さんの名曲「ひとつだけ」ですが、書きたいことがたくさんあるのは、最近のぼく。
先日、友人が主宰するインディレーベルから大量にCDを送っていただいたり、別の友人・・・というより人生の大先輩から新作アルバムを送っていただいたりと、そのお礼も兼ねて、レビューの真似事でもじっくりと書きたいところだったのですが、なにしろ音楽関係の機材・・・正確にはアプリケーションの入替やら、いままでマニュアルも読まず、きわめてテキトーに使ってきたソフトをじっくりと研究したりすることに時間を使ってしまっているのです。こういうときはなかなか集中して文章を紡げないですし、裏を返すと、それらが書き飛ばせないくらい素晴らしい作品だったのですが、言い訳にしか読めませんね。いやはや、スイマセン。近いうちにがんばります。
さて、そんな合間にも映画はあいかわらず見ているのですが、作品名を羅列して終わるのも野暮なので、ここはあえて「ひとつだけ」書きましょう。大好きな監督のひとりであるギレルモ・デル・トロの「パンズ・ラビリンス」。
でも「大好き」とか堂々と書いておいて、名前は俳優のベニチオ・デル・トロと未だにこんがらがるし、作品は劇場で一本も見たことがないという、きわめて半可者のファンなのですが、1992年公開の「クロノス」って作品以外は一応見てますし、元SFXマン出身(=ディック・スミス門下生)なのに、特撮一辺倒ではなく、そういう技術をうまくストーリーテリングの道具にできる監督というのがぼくの認識。容貌も含めて、ピーター・ジャクソンに似てるなあと思ってたら、現在はそのピージャクと組んで「ホビットの冒険」を監督してるってんだから、嬉しいじゃないですか。*1
http://www.thehobbitblog.com/
この「パンズ〜」は内戦下のスペインを舞台にしたお話で、この時代を描いた映画といえば「蝶の舌」(以前、本文より長い脚注を書いてしまったこのエントリー参照)や、不朽の名作「ミツバチのささやき」などがありますね。で、「パンズ〜」もまた上掲の二作品同様に、身内(国民)同士が殺し合い、独裁者が刃向かうものを容赦なく弾圧するという、過酷な現実のなかで生きるひとりの子供(少女)が主人公。ジャンルで無理矢理括れば「ダーク・ファンタジー」とかになるのかな。
ネタバレしたくないので内容は詳しく書きませんが、いわゆるプログラム・ピクチャー的な作風から脱却し、なおかつ持ち味を存分に生かし、彼の才能(と呼ぶべき力)がついに全開になった、現時点での最高傑作と断言できます。*2
アカデミー賞で三部門も受賞してる映画を今更DVDで見て、褒め称えるというのも恥ずかしいものがありますが、一見の価値はあると思います。ここんとこ続いているスペイン週間の締めくくり(?)にふさわしいネタと云うことで。

パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]

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ミツバチのささやき [DVD]

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カラスの飼育 [DVD]

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2000年にDVD化されて以降、今では絶版になっているため、相当ブッ飛んだ価格で取引されているのが「ミツバチのささやき」。「エル・スール」とセットになったDVDボックスに至っては、なんと現在五万円です。おなじくアナ・トレントちゃん主演作品の「カラスの飼育」なんて単体のDVDで二万五千円と、実に由々しきプライス。いつまで経ってもこういう名画を再版しない(できない)のは、配給会社の怠慢としか云いようがないと思うのですが、こんな値段でも欲しい人は欲しいわけで、実際に購入した人もひとり知っています・・・。*3

*1:彼らは歩んでるキャリア的にも共通項が多くて、ぼくはこの「パンズ〜」を初見して、すぐにピージャクの「乙女の祈り」を思い出した次第。

*2:写真のシーンは森の奥に住んでいる●●●に主人公のオフェーリアが会いに行くシーンなのですが、顔が泥だらけになってる女の子フェチのぼくにとっては、たまらないものがありました。

*3:誰あろうそれはふかわりょう君(本人がブログで書いてるくらいなので、誰あろうってことはないですけど)。で、ぼくはM-ON!のスタジオに顔を出したとき、直接本人から聞いたのですが、一回、火が付いちゃうとね。これはもう不可抗力。しょうがないです。でもそんな値段で買っちゃった人にとっては、幻のままであった方がいいのかもしれませんネ。