Moments in House Mixed By Tony Humphries

Moments in House Mixed By Tony Humphries

俗に"世界一のレコードセールスマン"と呼ばれるマイメン、ミスター・トニー・ハンフリーズの最新ミックスCDを紹介してなかったね。今みたいに新譜の試聴がおいそれと出来なかった時代。まあ、だいたい百年くらい前の話なんですけどね、ええ。よくレコ屋の店頭に彼のプレイリスト*1が張り出されてて、それはDJを始めたばかりのぼくにとって、まさに"ご神託"なのでした。
で、この秋に発売された「MOMENTS IN HOUSE」はまさに、ぼくが神の子だった時期・・・1993年、トニーがロンドンのMinistry Of Soundでレジデントを務めていた頃のプレイリストを"復元"したミックスCDなのであります。
特にディスク1に入っているSeven Grand Housing Authority「The Question (Terrence Parker's Original Version)」Lindy Layton「We Got The Love」Martha Wash「Carry On」あたりを聴いていると、芝浦GOLDで二晩連続で体験した生トニーのプレイ・・・ダンスフロアが浮き上がっていくような(まさにアップリフティング!)粘(ネヴァ)っこいロングミックスで昇天したときの心持ちが、ドライアイスの甘ったるい匂いとともに蘇ってくるようです。
とはいえ、一番驚いたのはナニ喰ったらそんなにデカくなるんだよと真顔で訊きたくなるほどの巨大なカラダ。おばけカボチャか人間山脈か。そしてフロアの闇を保護色にしたかのような肌。黒いTシャツ着て、黒いヘッドホンして、目だけがギョロギョロ動いてて、ブースの中を覗き込むと、UREIを扱う手元は意外に繊細(手はキャッチャーミットみたいだけど)。しかも滅法気さく。*2
あの頃にはまだインターネットもなく(パソコン通信はありましたが)、勘違いや思いこみのせいで探してたのとぜんぜん違うレコードを買っちゃったりしてさ。でも、そういう部分が今となっては財産。直接的な体験を通じてカラダやココロに残った情報ってのは、なまじっかなことじゃ抜けません。ぼくがDJとして伝えたいことの本質も、まちがいなくそういうことなんだと、このCDを聴きながら再確認した次第。
ただ、このCDはさっきもチラッと書いたように、当時のプレイをタイムカプセル的にパッケージしたわけではなく、あくまで今の感性で再構成された新しい作品なので、Hed Kandiがこの辺りのハウス・クラシックをリバイバルさせてるけど、俺のようなオジンハウサーだけじゃなく、キラキラハウス好きの女子にだってじゅうぶんアッピールするんじゃないかな(セルジオ越後)。というか、むしろそういう女子にこそ、トニーの極太なプレイを差し込まれて欲しいですネッ!
そして朗報。このCDの発売を記念して、トニーがひさしぶりの来日!
http://www.slavetotherhythm.jp/
師走の平日という悪条件ながら、場所は新宿リキッドだった「FACE」。GOLDが無くなった後、たしか十年くらい前に来日した時はリキッドでプレイしたトニー。てっぺんから朝八時半くらいまで延々回してて、死にそうになった記憶があります。そういった意味でも思い出深い。今のところひとりで遊びに行くつもりですが、私も行きま〜す!って人がいたら、ぜひ声をかけてください。UNITE!!

*1:NYのラジオ局「KISS-FM」で、毎週土曜日にオンエアされてたマスターミックスショウの曲目表。

*2:トニーに限らず、海外のハウス系有名DJはデブかマッチョに二分されてるので、一時期は本気で太ろうかと考えた時期もありました(マジです)。