いわゆる外タレの公演情報に疎くなってるのと、チケット取って、当日ノコノコ出かける・・・というダンドリ自体がめんどくさくなっていることのダブルパンチで、いわゆる「来日公演」的なものにトンと出かけてないのですが、最近愛聴しているアーティストが「ちょっと前に来日済」「今まさに来日中」「もうすぐ来日」という三種類にきっちり分類できてしまったのは、世情と俺のバイオリズムが合ってるのか、それともズレてるのでしょうか?


まずは今年、代官山UNITのカウントダウンイヴェントで来日してた"School of Seven Bells"の「Alpinisms」というアルバム。Prefuse73と彼女たち(双子のヴォーカリスト+音作り担当の男子)の共作曲がPrefuse73のアルバムに入ってて、それは耳にしてたんだけど、正直あまりピンと来てなかった。ちょっとAu Revoir Simoneっぽいなーとか思ったくらいで。それが先日、海外の音楽情報系ブログに貼られてたこの写真にひとめぼれというか、ただならぬオーラを感じて、さっそくアルバムを購入した次第。


ひょっとしたら、この九十年代っぽい音像(コクトーツインズとか・・・フェイ・ウォンがカヴァーしそうな!)は好き嫌いがわかれる気もするんだけど、最初にイメージしたシモーヌステレオラブよりも、むしろルシャス・ジャクソンとかバッファロードーターにちかい雰囲気を感じるんで、ライヴでどう再現されてるのか、ヒジョーに気になりました。それにしても、彼女たちが所属しているGHOSTLY INTERNATIONALって良いアーティストが目白押しだなー。文系っぽい男所帯って感じで。ぼくも所属したい!

Alpinisms

Alpinisms



そして、今週来日してたのがQ-TIPさん。厳密に言うとDJのJ.Periodが制作した、Q-TIPATCQ関連の音源だけで構成したオフィシャルミックス。彼らの曲以外に、元ネタのブレイクとかプロデュース曲、客演した別アーティストの曲までたっぷり入ってて、全49曲78分にわたり、彼の全キャリアが走馬燈のように振りかえれるっていう寸法。
これ、フツーに売ってても喜んで買いそうなシロモノなんですけど、太っ腹のフリーダウンロードアルバムになってます。
ヒップホップがビッグビジネスになり、サンプリングのクリアランスに多額のお金がかかるようになって、ヒップホップ文化の根本にあるべき「かっぱぎ精神」がすっかり骨抜きになった時代がありました。それゆえザ・ルーツみたいなバンドとかネプチューンズN.E.R.D.)のように、サンプリングへ依存しないサウンドプロダクションが重宝された、と。で、アーティストがレコードの売り上げではなく、コンサート(実演性)により経済的な活路を見いださなきゃいけない状況になったと同時に、レコードという資産を公共財と見なすような考え方が復権してきました。
ひょっとしたら「サンプられ王」のJ.B.が2006年に死んだことも、こういう流れに影響した・・・というのは深読みしすぎかな?

http://www.jperiod.com/q-tip/


で、最後はこれから来日するハイ・ラマズ。今のところの最新アルバム「Can Cladders」をちょうど二年前の今頃、このブログでもささやかに推薦したけれど、今回の来日はレコード会社やイベンターの手ではなく、彼らとイギリスで直接コンタクトを取った「サイトクノ」という名義で活動している20代のご夫婦が、個人として招聘したことをこの記事で知りました。町田の簗田寺でおこなわれる公演は、うちからもそう遠くないのでぜひとも見たかったけど、残念ながらソールドアウト。ハイ・ラマズのライヴはいままでに二度見てますが、スタンディングのライブにもかかわらず、あまりの気持ちよさで二度とも異様な睡魔に襲われ、眠気を振りはらうのに往生したおぼえがあります。お寺で見たら、たぶん畳のうえでほんとうに"往生"してしまいそうですが、それはそれはステキな体験になることでしょう。
あと個人的に気になっているのが、ハイ・ラマズのツアーメンバーであるPete Aves。彼がソロで作っている音源もいちいち素晴らしいので、いつかアルバムを手に入れて、じっくり聴いてみたいなあと思っています。

Pete Aves http://www.myspace.com/peteaves

down beat

down beat

<追加>

Chemical Chords

Chemical Chords

ステレオラブも今週、来日(10日に大阪、12日に東京)してたとは!
あまり話題になってないような気がするのですが、四年ぶりに出たこのアルバムは彼らのキャリア中、まちがいなく最高傑作じゃないでしょうか。というか、大会に出るたび、ちょっとずつ世界記録を更新していくイシンバエワ棒高跳びの美人ジャンパー)のごとく、毎回「更新」していく部分をちゃんと音の中から感じさせてくれるステレオラブって偉いと思います。


<結論>
やる気やアイディアや才能がある人にとったら、結局、時代がどうのこうのとか景気がどうのこうのなんて関係ないし、すべてを吟味して良いものを大事にし、もっとみんなが喜ぶことにやる気やアイディアや才能、あと多少のお金も使えたら、万事解決。そして美味しいものを食べて、聞いて、見て、健康を保てば万事快調。