HOUDAN

本が好きで、もっと本のことを好きになりたくて、古本の商いを自分でも始めてみることにしました。
それが「ア・ドラウニング・クロコダイル・ブック・サーヴィス」です。
けっして大儲けをしようとか、有名になろうとか、どっかの雑誌の編集長に迎え入れられようなんて気はサラサラありません・・・・・・いや、ちょっとくらいは儲からないと困るし、そんな話があれば嬉しいけどね。
で、この長ったらしくていささか覚えにくい名前。ワニにもドラウニング(溺れる)にもそこまで深い意味はありません。ハッキリ言っちゃえば後づけです。
ただ"ブック・ストア"じゃなく"ブック・サーヴィス"と名付けたことには理由というか、あるひとつのイメージを反映させています。
時が止まったかのような薄暗い店内に雑然と古本が並んでいて、店主はレジのそばでムッツリ座ってなにやら難しそうな本を読んでいる、ガラスケースの中にはサイン入りの初版本や古色蒼然とした稀覯本が収まっていて・・・といった所謂ティピカルな古本屋=ブック・ストアではなく、ぼくがやりたいのは、これはという本を携えていろんな場所へフットワーク軽く出かけていき、手渡しで皆さんへお届けするような・・・そういったイメージにおいて「サーヴィス」という言葉のほうがシックリきたのです。
これからLOVE SHOP RECORDのブログで五回に分けてアップされていく「LOVE SHOP PODCAST」でもお話しさせてもらったのですが、たとえ百円の本を売るためでも、一冊ずつ写真を撮り、加工し、なるたけ凝ったキャプションを書き、美しくレイアウトする・・・・・・これはもうかなりの「ドンキホーテ(ペンギンマークのディスカウントストアではなく、ロバに乗って風車に立ち向かう方の)」的な行為と云わざるを得ません。春から進めてきた開店準備のなかで、こうした煩雑な作業と少なすぎる利益のバランスという点で、われわれはハートを痛めてきました。
しかし結局のところ、そのすべての行程をいくぶん自虐的に楽しみ、自分たちがワクワクできるかどうかを優先しよう・・・・・・という"原点"に落ち着いていったのでした。
現段階で放出している商品は、ぼくが個人的な楽しみのために購入してきた本がほとんどです。ぼくがイメージしている品揃えや在庫量の理想とはオーストリアとオーストラリアくらいかけ離れています。とはいえ、このサーヴィスを通して、より多くの良質な古書と出会いながら、できるかぎり良心的な価格でみなさんへ還元していきたいと思っています。
また、インターネットだけではなく、直接本を手にとっていただけるような商売の仕組み、その機会を求めて、いろいろなアイディアを膨らませている最中です。
まだまだワニは口を開いたばかり。
ア・ドラウニング・クロコダイル・ブック・サーヴィスは、すばらしい古書の世界に鳴る"ブック音(オン)"へ耳を傾けていくつもりです。

もちろんこんなすばらしい機会を与えてくれた前園直樹君に感謝を。
LOVE SHOP RECORDともども、ごひいきに!

ア・ドラウニング・クロコダイル・ブック・サーヴィス:ディレクター
ミズモトアキラ