40才になったことで、三十年来の愛聴盤とか愛読書なんてものがチラホラ出てきました。つまり初遭遇が10才前後の作品たちってことですね。
じゃあ、趣味趣向もある程度固まり、経験値も上がった40才の自分がこれはと選ぶ新刊や新譜のなかに、これから三十年以上おつきあいできる愛聴盤や愛読書がどれくらい含まれるかといえば・・・・・・結婚適齢期を過ぎた人のパートナー捜し同様・・・・・・けっこう厳しいんじゃないかと思ったりします。

とかなんとか云いつつ、三十年以上かどうかはわかりませんが、相当長い時間、愛聴できそうなアルバムが「江ぐち」帰りに届いておりました。
それはパット・メセニーの『Orchestrion』。



十九世紀に開発された由緒ある自動演奏装置"オーケストリオン"を最新のテクノロジーリバイバル
ジャケ写及びリンク先の動画を見てもらえれば一目瞭然のハチャハチャなプロジェクト。無限の大事業というか情熱大陸というかカンブリア宮殿というかガイアの夜明けというか、見た目のインパクトだけでも相応の重みやユニークさを音楽に付与してるわけですが、これがもちろんギミックだけじゃない。一曲一曲がとても軽やかで美しい。
バロックというかスチーム・パンクというかハリー・パーチというかハリー・ポッターというか、要するに子どもが魔術(イマジネーションのチカラ)で自分の部屋を森に変えたり、大海原に変えたり、かいじゅうたちの棲む島へと一瞬で変えてしまうように、P.M.の夢と想像力と財力と技術がすべて注ぎ込まれた音楽。いやはや、ほんと興味深く愛すべき作品です。
二十四時間、誇張なく、ひたすら寝る時も寝てない時も、飽きずにずっと聴きまくってるので、ひょっとしたらカレー将軍・鼻田香作特製のブラック・カレーのように、麻薬に近い成分が含まれているのかも・・・・・・。
まあ、それこそ10才の頃に初めて目にしたイエロー・マジック・オーケストラの衝撃(膨大な機材がステージの所狭しと並べられてる/洋服ダンスみたいな機械をずっといじっている人がいる)と、この作品の様相はまちがいなく同一線上にあるものだと思うしね。魅了されないわけがない。

さて、そんな子どもと魔術と言えば。
ずっと楽しみにしていた『ラブリー・ボーン』の公開が始まってしまったので、劇場へ足を運ぶ前にアリス・シーボルトが書いた原作小説を読み終えました。元々アメリカで大ベストセラーになっていた小説を映画化した作品なので、この順番で観るのがアリなんじゃないかと思ったんですが、どうでしょうね。
小説は冒頭から胸が突かれるような、読んでいて息苦しくなるような場面が多々あるんですが、きちんとエンターテインメントしていて、最後まで楽しめる作品でした。
個人的には『ラブリー・ボーン』で描かれている天国の世界観というか、概念が、TwitterのTL(タイム・ライン)とそっくりなのが興味深かったんですが、まま、映画の日あたりに観に行くつもりなので併せて、また。