日本映画専門チャンネルで四ヶ月間にも亘る特集企画(現在、最終月)が組まれた岡本喜八監督の作品をほぼ連日見ています。
彼の映画は晩年の作品を数本と独立愚連隊シリーズくらいしかちゃんと見てなかったので、映画好きの人からは「何を今さら」と言われそうですが、ほんとに目から鱗というか、どの時代のどんな作品も素晴らしくて驚いています。
他の監督なら間違いなく重苦しくなりそうなテーマの映画をあえてコミカルに演出したかと思えば、大映のスター勝新東宝のスター三船が激突する「座頭市対用心棒」(まさにガメラゴジラ!)を単なる娯楽一本槍で撮ってなかったり、黒沢スタイルの迫力ある群衆劇からヌーヴェルバーグ調の即興的演出まで・・・とにかく自由自在。
あと「喜八組」と呼ばれる役者たち、その顔ぶれの素晴らしさ! 所謂ハンサムな俳優なんて皆無。強いて云うなら仲代達也とか岸田森あたりは二枚目だけど、あの人たちだって演技は相当パラノイアックでフリーキー。そこに高橋悦史とか佐藤允とか田中邦衛とか神山繁とか寺田農といった濃い面々がネッチョリとからみあって喜八ワールドが形成されてるわけ。
でもそんな二枚目とは呼べないゴツゴツした俳優たちが、映画のチカラでどうしようもなくかっこよく輝いているんだよね。
そこにくると今の日本映画の酷いことといったら。主役だろうが脇役だろうがとにかくE男E女をこれでもかとキャスティング。おまけのように配役された一部の"個性派"俳優陣は、たいがいTVのバラエティ番組で顔を売ってるような人たち。ただでさえコミック原作やドラマのスピンオフみたいな映画オリジナルの魅力に欠ける企画ばかりが目白押しの日本映画だからねえ。こりゃ勃つわけないよ。
最後に個人的なおすすめを大まかなジャンルごとに一本ずつ書いておきますので、何かの参考にしてください。
激動の昭和史 沖縄決戦」(戦争もの)
戦国野郎」(時代劇)
殺人狂時代」(サスペンスコメディもの)
ダイナマイトどんどん」(アクションコメディもの)

もちろん他にも一般的な代表作とされている「日本のいちばん長い日」とか「ブルー・クリスマス」とか「近頃なぜかチャールストン」とか「江分利満氏の優雅な生活」とか……まあ、フィーリングに合ったものを手当たり次第見てみたら、絶対に引っかかる作品があると思います。
ちなみに喜八映画のベストアクトレスは『斬る』で半次郎(高橋悦史)が見初める遊女・トミ役の鈴木えみ子、そして『吶喊』で主人公の千太が見初める遊女・テル役の千波恵美子。ご覧のとおり、この二人の役どころはまったく同じ。そしてこの作品を含めて二、三作の映画に出たあと、芸能界をフェイドアウトしたという共通項もあります。次点は『肉弾』の大谷直子かな。これがデビュー作(当時、高校三年生)でフルヌード&ラブシーンも大胆に披露しております。まさに<肉弾>。さらに次点は・・・・・・以下、飲み屋で。