ぼくのコンプライアンス。

POND

TREES

TOWN


いろんな欲の中で比較的自分でも抑制が効くと思っているのは物欲です。性能やデザインの下調べとか値段の比較といったことが大好きなので、買い物の大きい小さいにかぎらず、たいていどんなものも計画や作戦を立てるから、衝動買いはまったくありません。
でも、そんなぼくが街を歩いていて、衝動的に「欲しいなァ〜」と思ってしまうのが小っちゃな子どもです。
とりわけ歩き始めたばかりのかわいらしい乳幼児が、公園の芝生やショッピングモールの通路なんかをヨロヨロフラフラしてると、親が目を離してるすきにこっそり持ってっちゃおうかな〜、と考えてしまいます。
ただ、いくら欲しいからといってほんとうに持って帰ってしまうと、逮捕されてシベリアに送られたり、海馬を切り取られてしまったりするので、イマジネーションのエリアからけっして出さないようにしています。
しかし今日、散歩の途中で見かけたちびっ子はヤバかった。足元のおぼつかなさは「お葬式」の財津一郎のごとし。「10分前に歩き始めたばかりなのよ」って教えられても信じちゃいそうなレベル。身長はぼくのひざ丈くらい…50センチくらいだったかなあ。その彼だか彼女だかは、ベンチに腰掛けていたお母さんの元からヨテヨテっと10メートルくらい歩き、植え込みのナンテンの木がつけた小さな赤い実をじいっと見つめ、ブツブツなにやらつぶやいているのです。
帰り道にまとまった買い物をするつもりで、ぼくは大きめのショッピングバッグを持っていました。たぶんバッグにその子はスッポリ入っちゃうでしょう。パーカーのフードをつかんでヒョイっと持ち上げてぇ…なんてイケナイ考えがアタマ一瞬をよぎったけれど、その子が「早春スケッチブック」の鶴見辰吾とか風吹ジュンみたく、扱いづらいティーンエイジャーになったところを想像して、その<物欲>をカンペキに抑えこみました。
ちなみに散歩で出かけたのは藤沢駅から徒歩約15分の場所にある、自然豊かな公園。林の中でマイナスイオンも相当浴びたんですけどね。残念ながらまったく浄化されなかったみたいです。