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大手の出版社から発行されている文庫解説目録をまとめてもらってきました。トイレタイムにきまぐれ手にとっては、ピラピラ眺めてるのですが、文春文庫の目録に掲載されてた東海林さだおさん・・・この人もある意味で「特殊漫画大統領」なんじゃないかとつねづね思っている・・・の内容紹介がただ事じゃない面白さだったので、唐突ですがいくつか抜粋してみます(強調部分:ミズモト)。
●ショージ君のぐうたら旅行
日本最北端の岬でハナミズをたらし、信濃路ではタヌキ汁に舌つづみを打ち、小笠原島で昼寝するなど、気ままな旅を楽しんで、哀愁とロマンの香り高い紀行。
●ショージ君の一日入門
幼い頃から一度は“なってみたい”と憧れていたファッションモデル、私立探偵、バレエダンサーたちの学校に無試験無面接でイソーロー入学。日陰の身の淋しさを乗り越えて健闘する。
●ショージ君の日本拝見
マンション・バスに乗ってみたり、阿波踊りに挑戦したり、競輪学校に入学してみたり、プロ野球に八つ当りしたりして、日本中を笑いの種にしてしまう愉快な珍道中。
●ショージ君の時代は胃袋だ
財界のドン、球界のドンなどという言い方がある。ではドンブリ界のドンは何か。うな丼かカツ丼か天丼か。はたまた親子丼か。空前の胃袋時代をどう生き抜くかを示唆する“笑撃の書”。
●アイウエオの陰謀
五十音図の配列は、なぜアイウエオなのか。アオウイエではなぜいけないのか。全麺類東京サミット、ポットにおしやられたヤカンの告白などユーモア溢れるエッセイ集。
●ブタの丸かじり
おせちに潜む派閥問題、風呂場のグルメ本鑑賞、国辱映画の日本食シーン拝見・・・・・・。ショージ君の飽くなき探求は続き、遂には豚の顔丸一枚を食べてしまいました。
●マツタケの丸かじり
地面に生えている筍を丸焼きにしてサディズムを発揮。カツカレー牛丼でカロリーの限界に挑む。回転ラーメン、味噌カレーも登場。丸かじりワールドはますますディープに。
●タケノコの丸かじり
カツライスのカツもカツ丼のカツも、カツに限らずステーキでもハンバーグでも大抵のものは寝ているのに、カツカレーのカツだけごはんに身を立てかけているのはなぜか。
●タヌキの丸かじり
ハンバーグステーキはお口の中の泥遊び、ポークソテーの無念、ぶどうパンの無レーズン地帯解決法、つぶアンこしアンの国民投票。アラブの油田のごとく丸かじりに終わりはない。
●誰だってズルしたい!
世の中はズルの壁でできている。男のゴマスリも女の寄せブラも許せん!とズル研究を展開しつつ、松井を見にNYへ飛び、市ヶ谷で釣り糸を垂れ、江の島を堅苦しく旅行する。
最初は「文春のサイトからコピペすれば楽勝!」なんて思ってたのに、解説目録の文章とアップされてるテクストがかなり違っていて、結局大半を打ち直すはめになったじゃないか(でも、やるんだよ!)
どれもこれも面白いけど、特に「タケノコの丸かじり」だよね。内容のほとんどを割(カツ)愛し、カツカレーのカツ問題だけで押し切っちゃってる。担当編集者の悪のりとショージ君ワールドへの愛情を感じるなあ。ぜひ今度本屋へ行ったとき、ほかの解説も読んでみてください。ほんとバカバカしくて最高なので。
ぼくの数少ない夢のひとつが東海林さだおさんの文庫本の巻末解説を書くこと。いつか叶うように精進したいと思います。

- 作者: 東海林さだお
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/11
- メディア: 文庫
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